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母性型原理の真髄

Vol.4 まず、上下関係を見直してみませんか

最近、自分の子どもに「お父さん」とか「お母さん」とか呼ばせずに、「◯◯チャン」と名前で呼ばせる親たちに会うことがあります。このような若いファミリーは一見ほほえましいそうなんだけれど、子どもを「◯◯ちゃん、そんなことはダメ」といくら注意しても子どもはどこ吹く風といった具合で親の言うことを全く聞いてなんかいないのです。

子どもにすれば日ごろ「◯◯ちゃん」と友達感覚で接している親が、たまに親の権威を振りかざしても従う気になれないのは当然ですよね。たかが名前を呼ぶくらいじゃないかと思いますが、実は親子の関係に上下関係がなくなり、尊敬や感謝の念が希薄になるのもこんなところから始まっているのです。親と子の関係は生まれてから死ぬまで人の一生の中で切っても切れない濃い関係です。友達関係などというものではないはずなのです。
私たちは安易にアメリカ主義の自由、平等を取り入れてしまった結果、権利主張とか自己責任とかの言葉が飛び交うようになって、なんとも生きづらい世の中になってしまったように感じることはないでしょうか?

実は対等な関係というのは理想的だけれど落とし穴もあるのです。対等な関係は、自由はあるけれど不満も出やすくなるのです。
夫婦関係でも「あれして」「これして」で何をしても当たり前。してくれないと「なんで私がこんなことしなくちゃならないの?」と不満が出る。
職場でも「男女平等なのになぜお茶くみをしなくちゃならないの?」と何で?何で?と不満になりやすいのが実は対等の関係なのです。さらに、怖いことはコミュニケーション力が育たないということなのです。

学校現場で子どもたちと接してみると、先生に向かって喋る言葉も親に向かってしゃべる言葉も同じ友達口調。しかも生徒は先生の話を集中して聞こうとしないのです。すると世間は教室で生徒が騒ぐのは、先生の教え方が悪いとか、敬語を教えなくてはと批判されますが、教室という場では先生が一方的に話して生徒は黙って聞いている。そこで、双方向のコミュニケーションを成り立たせるためには生徒の方もうなづいたり、分からない時には首を傾げたり、無言の合図を先生に送らないといけません。こういうコミュニケーションで大切な無言のコミュニケーションや聴く力が、子どものころに備わっていないのです。

昔の子どもは静かに先生の声に耳を傾け、その表情もイキイキと先生の声や表情に集中していました。子どものころから目上の人から「習う」訓練、「聴き取る」訓練が親と子の上下関係がはっきりしていたので自然に無言のコミュニケーション力が備わっていたのです。ところが、最近は大学の授業でも教師が教壇に立っても平気で友達同士の雑談が絶えません。自分は教わる立場であるという認識が育っていないのです。そこで、私は教壇に立ったまま黙って学生一人一人に眼差しを送ります。すると一人が気付き、また一人が気付きして、教室全体がしんと静まり学生の目が私に集中するまで言葉を発しません。その間2分間位はかかります。

このように対等関係で育った若者たちは、言葉の自己主張はするけれど、言葉を出さなくても無言でいろいろな合図を送って先生とコミュニケーションをするという言葉以外のコミュニケーション力がとても低いのです。つまり、気配り、目配りをしながらその場の空気を読む力のことでしょうか。

上下関係、もっと古くは「主従関係」の特徴は役割がはっきりしていることです。男の役割、女の役割、上司の役割、教師の役割などなど・・・。役割がはっきりしているとその場が安定するのです。怖い校長先生と優しい教頭先生とか、厳しい父親と優しい母親という風に。
また、上座に座らなければならない年長の人が「私なんて・・・」と遠慮してしまうと結局、新人が座らされてしまい、その場がなんとなくギクシャクしてしまうのです。
上下関係がきっちり出来ているということは、相手によって自分の口調や声、表情、仕草までも瞬時に切り替えることができるという接遇の基本が身につくということなのです。これは敬語が出来るできない以前の問題なのです。

草食系男子が増えてしまったのは家庭や職場に上下関係がなくなってしまったからではなかと私は感じています。恋愛においても「キスしてもいい?」と言ってから彼女に迫ったら女は気持ち悪くて引いてしまいますし、レストランで対等だからと会計を割りかんにして嫌われるのも草食系男子が空気を読めないといわれる由縁です。
天才バカボンのようなお父さんが「これでいいのだあ」と言いながら何があっても動じない存在があると男の子は、安心感がありやる気や主導力を発揮しだすのです。女性はもともと体内に場を読む、相手を読むというセンサーを備えていますから、コミュニケーション力で男性を凌いでいます。
私たちは、人間関係において対等な関係を求めがちですが、真の対等な関係は上下関係をきっちりこなす訓練が出来て初めて良好な対等関係ができるのです。

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日時:12月19日(水)午後6時半~
場所:高松国際ホテル

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